ギリシャのマスターオブワイン、カタルジーナを語る
これからのワイナリーに必要なこと、そしてカタルジーナに期待すること
コンスタンティノス・ラザラキス
日本の大橋健一MWはじめ、現在全世界で370名のみ名乗ることを許されたワイン業界最高峰の資格、マスターオブワイン。残念ながらブルガリアのMWはまだ誕生していませんが、隣国のギリシャには2名おり、そのうちの一人コンスタンティノス・ラザラキス氏がカタルジーナを訪れました。
カタルジーナの進化の先
ラザラキスMWは、アテネのギリシャではじめてミシュランの星を獲得したレストラン「ジャジャゾ」の名ソムリエとして活躍し、現在は酒販会社アイオロスの輸出責任者として、またギリシャのWine & Split Education Trust(WSET)の代表としても多忙な日々を送っています。
ブルガリアの多くのワイナリーは、自己本位の内向きな経営をして市場のニーズをとらえていない、これからのワイナリーに必要なのは、人材と葡萄畑への投資だと説くラザラキスMW。
2006年初リリースした新進気鋭のワイナリーであるカタルジーナについては、これまでの10年間、市場のニーズに合わせバランスのとれたワインを造ることに成功した、これからの課題は国際市場へ向けて打ち出すことで、そうすれば今後さらにレベルアップして行くだろうと述べました。
そして個人的にカタルジーナに期待することは、今まで葡萄品種に焦点をあててワイン造りをしてきたが、葡萄畑の特徴に、よりフォーカスしてワイン造りをすれば、さらに良いワインを生み出せると語っています。
カタルジーナはブルガリア南東部、ギリシャとトルコ国境にあり、東ロドピ山脈の標高差を利用して、さまざまな葡萄を生育しています。国境地帯で紛争のため長年人が立ち入らず、ノーマンズランドと呼ばれていた地域で、元々自然のままの土壌であったものを近年さらにビオロジック(有機)農法で改良し、EU認証のオーガニックワイン造りにも取り組み始めました。カタルジーナはラザラキスMWが言うように市場の流れやニーズに合わせて進化して行くワイナリーとなっています。